記事紹介2024年12月10日
DeNAグループで、大型建物の修繕工事などのDXサービスを提供する(株)スマート修繕は10日、分譲マンションの修繕積立金に関する意識・実態調査を発表した。全国のマンション区分所有者など40歳以上の男女を対象に、インターネットで調査を実施。調査期間は11月15~16日。有効回答数は844人。
「マンション購入時から修繕積立金は上がったか」との問いでは、全体の61.0%が「上がった」と回答。「均等積立方式」のマンションでも、63.3%が修繕積立金の値上げを経験していることが分かった。
購入時と比較した修繕積立金の上昇幅については、「1,001~4,999円」(36.3%)が最も多く、次いで「5,000~9,999円」(30.9%)、「1万~1万4,999円」(17.7%)と続いた。
マンションの築年数と修繕積立金の値上げの関係を見ると、「築15~19年」で「上がった」(76.9%)と回答する人が最多に。「均等積立方式」でも、築15年以降から「上がった」と回答する人が増えていることが分かった。これは、多くの管理組合が、1回目の大規模修繕工事で初めて大金を使うという事実に気付き、それ以降の計画を見直すためとみられる。
エリアで見ると、「修繕積立金が上がった」との回答者の割合が「東北」(66.7%)、「九州」(64.4%)で比較的高い傾向が見られた。震災を経験した地域では、復興特需で上がった職人の人件費が、それ以降も高いまま維持されていることが原因と予測される。
「共用部の修繕工事で、不明点や疑問がある際、何らかのアクションを起こしたか」との問いでは、「起こさない」と回答したのは、役員・修繕委員の経験が「ない」人の約7割、「起こしている」と回答したのは、「両方の経験がある」人の約7割となった。役員などを経験して修繕工事を「自分事化」した経験が、意識の差に影響していることが分かった。また、理事、委員も経験している場合、修繕積立金上昇による住み替え検討の意識が6.5%と、平均2.9%の2倍以上に。未経験者と比べ大きく危機意識を持っていることがうかがえた。
(不動産流通研究所より引用)