記事紹介2019年06月28日
現在メディアでは、タワマンの修繕積立金問題が盛んに取り上げられています。
そして、メディアの論調としては修繕積立金が不足し、数十年後にはタワマンがスラム化するというものです。
しかし、この論調は正確ではなく、管理組合が適正に機能しているかどうかで、タワマンの数十年後の姿は変わります。
今回は、これから中古タワマンを購入する人が参考になるよう、押さえておくべきポイントを解説します。
■大切なのはまず管理組合がきちんと機能しているか
大手の分譲タワマンであれば、新築購入時に売主が作成した長期修繕計画の予定表も渡されます。
これらは、管理組合を作り管理会社に参考にしてもらうものですが、ほとんどのタワマンでは、5年ごとに修繕積立金が引き上げられています。
つまり、売主としては修繕積立金をきちんと引き上げて、将来の大規模修繕に適切に対応するよう、管理組合に求めているのです。
そして、管理組合がこの問題に当初から積極的に対応している場合、タワマンの総会でそれ以上の引き上げをすることもあり、結果として数億円の黒字が生じているタワマンもあります。
一方で、5年ごとの引き上げを見送り続け、大規模修繕前になって慌てて試算した所、数億円の赤字になっていたタワマンもあります。(住民の総意が一致しにくい大規模タワマンに多い)
言い換えれば、タワマンの修繕積立金に管理組合が当初から積極的に対応し、住民もその意識を共有できている場合、費用がかかる2回目の大規模修繕でもそれほど心配する必要はありません。
■大規模修繕工事では相見積もりを取るのは当然
そして数億円の黒字を出している管理組合は、値上げに積極的というだけではありません。
売主と同じ系列の管理会社となることが多いタワマンにおいて、管理会社の管理費が妥当かどうか検証し、場合によっては管理会社もコンペで選びます。
また、大規模修繕工事のアドバイザー、実際に大規模修繕工事を行う会社も、施工方法などを詳しくヒヤリングしコンペで選びます。
そして、このように全体的なコスト削減を行った上で、修繕積立金の値上げ提案をするので、住民からの理解も得やすく、結果としてタワマンの資産価値も維持されます。
しかし、できていない管理組合は大規模修繕工事の資金が不足し、住民から不足金を徴収しようとしますが、議論が紛糾することが多く、結果として大規模修繕工事の時期が遅れ、タワマンの資産価値も下がります。
■中古タワマン購入者は長期修繕計画の確認を
特に初めてタワマンを購入するときは、専有部分だけに興味が向かいがちですが、共有部分の管理がしっかりされているかは、今後ますます重要になります。
購入希望者というだけでは、管理会社もどこまで公開してくれるか不透明な部分もありますが、所有者になると長期修繕計画などは避けて通れない部分なので、積極的に交渉してみて下さい。
規約によりますが、管理会社としても、問題がなければ見せられないものでもないことから、一切開示してくれないところは、逆に問題があると考えられます。
「マンションは管理が命」とは、昔から業界で言われてきたことです。
そしてタワマンは、それがさらに重要です。共用部分のチェックは怠らずに行いましょう。
(マネーの達人より引用)